-
2017.07.27
(号外3)アメリカで改善意見交換
オレゴン州ポートランドで日本の改善について話をする機会がありました。
出席のメンバーは誰でも知っている有名なIT会社の役員もいれば、個人で開業しているお医者様もいるという日本ではなかなかお目にかかれない組み合わせの方たちでした。
講演の流れは日本のモノづくりの歴史から始めて、私が現在目指している「知のすり合わせ」を活性化することによるリードタイムの短縮までを話しました。
KZ法のようなみんなでワイワイガヤガヤしながら経営を進めるというやり方は理解されないだろうな、あるいは理解してもらっても受け入れられないだろうなと思っていたのですが、意外にも是非ともやってみたいという方が数多くいらっしゃいました。
また日本とアメリカを国としての比較をすると両国には大きな違いがありますが、個人個人の悩みやこれから進もうとしていることを聞いてみると意外と違いがなく、アメリカの方もやはり日本と同じように経営上の悩みは抱えているものだな…と思いました。
ただこれはすごいな!と思ったことが一つあります。今回の出席者はそのほとんどの方が自分たちのいるマーケットをかなりはっきりと分析してとらえていました。現在『儲かるメーカー 改善の急所101項』の『【急所1】工場でのあらゆる活動は、お客様からのご要望に応えるために行っている』について書いていますが、やはりお客様を更に強く意識することは絶対に必要だなと思いました。
世界の動きもかなりすごいです。暑さに負けず頑張りましょう!
-
2017.07.24
これからの変化の時代に向けてのカイゼン[3] 今回は先回の『儲かるメーカー改善の急所101項』【急所1】の続きです。
【急所1】工場でのあらゆる活動は、お客様からのご要望に応えるために行っている。
計測器メーカーK社は国内のほとんどの自動車関連会社にその商品を使ってもらっています。しかしある自動車会社の系列では全く使ってもらえませんでした。自社の製品が圧倒的にいい商品だと自信があったのですが昔からのことなので諦めていたのです。しかしある時、営業の新人Eさんが勇気を出してコンタクトして実際にその会社の現場に入らせてもらい、なぜ使ってもらえないのかを直接に聞いてみました。
すると驚いたことに、その工場で昔から使っているラインサイドの棚のサイズに入りきらないので買えないという実にシンプルなそして「うっそー!」みたいな答が返ってきました。Eさんはすぐにその棚に入るサイズのパッケージを自分で作ってそれを持って再提案をしたところ即座に注文をもらえたのです。営業のベテランではできない、何も知らない新人だからできたことと言われましたが、そこに真のお客様がいらっしゃったということですね。
これらのことは決して簡単なことではありません。しかしこれから始まる大きな変化に対応する大切な視点だと考えます。
『儲かるメーカー 改善の急所101項』
(画像をクリックするとAmazonにいきます)
-
2017.07.13
これからの変化の時代に向けてのカイゼン[2] 今回も『儲かるメーカー 改善の急所101項』を使ってお話しいたします。
【急所1】工場でのあらゆる活動は、お客様からのご要望に応えるために行っている。
工場ではたくさんの部品や製品が作られています。そして性能の向上や品質の向上、また生産性の向上など様々な取り組みが行われています。どれも非常に重要なことですが、絶対に忘れてはならないことが一つあります。
それは「工場でのあらゆる活動は、お客様からのご要望に応えるために行っている」ということです。
ここで大切なことはその「お客様」とは誰のことかです。例えば、できた製品が親会社に納められる、あるいは問屋さんに納められるとした場合、お客様は親会社であったり問屋さんであったりと思われるでしょう。
しかしそれだけではなくて、親会社でその部品を使っている人やその部品を検査し供給するその部品を直接に使っている人もお客様なのではないかと思います。あるいは問屋さんから買ってその商品を実際に使っている人が本当のお客様なのではないでしょうか?
その方たちが本当に喜んでくれているか? どんなことを望んでいるか?というようなことをいつも聞いて回ったり考えたりして、もっといいものを作る努力をするのです。
これらのことは決して簡単なことではありません。しかしこれから始まる大きな変化に対応する大切な視点だと考えます。
『儲かるメーカー 改善の急所101項』
(画像をクリックするとAmazonにいきます)
-
2017.07.10
「ウェアラブルカメラを使って進める「手元化」の実践」セミナーのお知らせ 9/6日大阪府工業協会研修室にて大阪府工業協会主催
「ウェアラブルカメラを使って進める「手元化」の実践」セミナーを実施します。
本セミナーでは、手元化の具体的な進め方を学んでいただきます。
ウェアラブルカメラを使った演習を織り交ぜることで、即実践できる内容となっています。
どうぞお申込みください。
こちらよりお申込みができます。
→http://www.opmia.or.jp/seminar/2916
-
2017.07.10
工場長大会のお知らせ 来る8月30日インターコンチネンタル大阪にて公益社団法人 大阪府工業協会主催にて「工場長大会」を開催します。
こちらは工場長や製造席に社が一堂に会し、
工場運営と現場力向上の要諦をともに学ぶ場として開催いたします。
今回の基調テーマは
「強い現場づくりで次代を切り拓く」です。
講演していただく方は
パナソニック株式会社 生産技術本部 副本部長 モノづくり強化担当 尾本勝彦氏
株式会社ダイセル イノベーション戦略室長 小園英俊氏
三菱重工業株式会社 バリューチェーン本部 技監・マネージングエキスパート 大阪弘美氏
そして
コーディネーターとして私柿内幸夫が講演いたします。
こぞってご参加下さい。
お申込みはこちらより申し込みが可能です。
→http://www.opmia.or.jp/seminar/2876
-
2017.07.09
-
2017.07.09
これからの変化の時代に向けてのカイゼン[1] これまで「まさかの時代にするべきこと」や「変化のスピードを上げること」を述べてきました。そしてこれから具体的にカイゼンを進めていきますが、改めて基本的なことをお話ししようと思います。
テーマのベースは私の著書の『儲かるメーカー 改善の急所101項』(日本経営合理化協会出版局)を使って、時々の話題を織り込みながら解説をいたしたいと思います。
一回目は私の事例から
【急所90】作業着は、見ただけで違いが伝わるユニフォームにせよ
これが私の作業服です。改善戦隊チェンジマン!
真ん中にカイゼン君がいてそれを仲間が支えていて、後ろには社長と私がいます。
作業で汚れるから汚れが目立たない服がいいではなく、皆さんが持っている会社の特長などを表すプライドが持てるユニフォームが理想です。
『儲かるメーカー 改善の急所101項』
(画像をクリックするとAmazonにいきます)
-
2017.07.02
第4回日本カイゼンプロジェクトのご報告 6月23日に開かれた第4回日本カイゼンプロジェクトのご報告をいたします。
当日は約40名もの方がご参集くださいました。お忙しい中、本当にありがとうございました。
今回は、全日空の社員で定年少し前の58歳で会社を休職し、JICA のシニアボランティアとして2年間にわたりジャマイカで改善指導をしてきた柿内隆夫氏がその体験談を話してくださいました。
ジャマイカは日本とは対極にある国で日本の常識は通用しない…部分も多くあるけれど、真剣に立ち向かって心をつなげるとやはりそこは人間同士、いろいろなことができるようになったというお話でした。過去数回の派遣ではどうしても実現できなかった高いレベルの改善を初めて成し遂げた話であり、日本でも応用できることも多々あるように思いました。
インフラは未整備でGDPなどは日本とは比較にならないほど低いけれど、そこに住む人は明るく楽しく生きている。柿内隆夫氏は、もし許されるならジャマイカに住むのもいいかもしれないと締めくくられました。
講演の中で英語の重要性も述べられたのですが、その考えに賛同された多くの方が参考意見を述べてくださいました。元財務副大臣の遠藤乙彦先生が現在進めている日本人の英語能力を向上させる具体的なプロジェクトについて、カイゼンを世界に広めた今井正明先生が世界のこれからのカイゼンの方向性と英語の重要性などをお話しくださいました。後半は皆さんで食事をしながらのワイガヤで楽しく過ごした4時間でした。
次回の第5回日本カイゼンプロジェクトの開催予定は10月20日(金)で今回と同じく東京駅丸の内口のTIP*Sで行います。ゲストスピーカーは静岡大学大学院教授でSHIEN学という新しい分野の研究をされている舘岡康雄先生にお願いしています。SHIEN学は日本のモノづくりととても相性がよさそうです。どうぞお楽しみになさって下さい。
皆様、どうぞお元氣で!
-
2017.07.02
まさかの時代にするべき改善[4] 先々々回、「まさかの時代」にするべきこととして、今すぐに実行して「もうできちゃったの、まさか!」とに言わせることだと申し上げました。「いつやるの?」「今でしょ!」は2013年の流行語大賞を取りました。知らない方はほとんどおられないでしょう。しかし今何をするのか?
先日ある会社で「うちはすぐ会議を開きます」という話を聞いたのですが、それって「まさかの時代にするべき『すぐやること』」とはちょっと違わないかなあと思いました。
私の改善指導会では、その場でできることであれば即みんなでやってしまいます。その場でやるとすぐに結果が出るのと、実行の過程でいろいろなアイデアが生まれて次のステップの宿題が決まります。しかしもしこれをその場でやらずに宿題にしたらどうなるでしょうか? 次にやることはその宿題をいつやるかを決める会議を開くことになったりしますからやはり即実行はメチャクチャはやいことになります。
以前、欧米のビジネスマンから日本人はどうしてこんなに会議ばかりするのだ?としばしば聞かれたことがありました。日本人は会議好きなようです。もちろん会議をすべて否定することではありません。会議を通じて情報を共有化したり広く意見を求める必要がある時もあります。しかし会議をしないでも実行できることがたくさんあることも事実です。
私も先日あることの決定に関して、これまでいろいろな人に連絡したりついでに意見を聞いたりというプロセスを経て決めていたことがあったのですが、それを一切省いてすべて自分で決めて結果を全員に報告するということをしてみました。実はこの仕事は本来すべて自分で決めるべきことであったのですが、つい習慣でいろいろな人に声をかけていました。
今までとやり方を変えたので、ちょっとだけですが失敗したらどうしようと心配になりました。しかしやってみたら何の問題も起きなかったし、何よりもこれまでやっていた調整などの連絡のやり取りがすべて省けたことの能率向上はすごいものでした。
まず会議ありき…という習慣はスピードを落とします。習慣で会議がひらかれていることがありませんか? チェックをお願いします。