-
2018.05.30
日本の製造業が本来持っている強味 8 作ると売るは一体です。両方同時に考える必要があります。
*************************************
一つ目の驚きは彼らがマーケットの変化スピードはものすごく速いということを認識してそれに合わせた仕事をしていること。これは驚きではあったが、想像した通りともいえることでもあった。
二つ目の驚きはそのスピードを追求する方法はこれも当たり前と言えば当たり前であったが、「創る→作る→売る」に関係するすべての人が1か所に集まって即断即決して動き出すことであった。一つの部門の人だけで集まるのではなく、あるいは大きな会議室で誰か一人が話して残りの人は聞いているではなく、関連する人全員が立ってホワイトボードの前でそれぞれがマーカーを持ってドンドンと話を作り込んでいって実行するやり方だ。
Question: ホワイトボードの前でみんながマーカーを持って書き込みながら話すということをしたことありますか?
-
2018.05.28
日本の製造業が本来持っている強味 7 「モノを作ることができるのは注文があるから」という大変に当たり前のことを私たちは時々忘れることがありますね。今回はそれに気づいた私の経験です。
*************************************
次に私が、「博士号を持っている皆さんは自分の研究室に閉じこもってそれぞれの研究をしているのではないか」と思っていたのですが、そうではないようですね、と話したところ、次のような答えが返ってきた。それは、我々は商品を開発するだけではダメで、それをどう売ってどう利益を得るかというところまで責任を持っている。だからみんなで一緒にやるのだ、一人では絶対にできないのだ、とのことであった。すなわち彼らは自分たちでニーズを探り商品を作りマーケットを開拓し商品を生産し販売することのすべてを自分たちが責任を持ちチームでやっているとのことであった。
この世界最先端を行くアメリカの会社の仕事のやり方を見て驚いたことが2つあった。
Question: 私が驚いた2つのことってどんなことだと思われますか? 想像してみて下さい。
-
2018.05.10
日本の製造業が本来持っている強味 6 南京に3日間出張しました。タクシー配車、電車の予約、代金支払いなどにかなりの高齢者の方がスマホを活用していることや、ちょっと前まではなかった自転車レーンの設置など、あっという間に変わってしまうその変化のスピードに刺激を受けました。
*************************************
私は2015年12月にサンフランシスコにあるGoogleとEvernoteの2社を見学する機会を得た。その2社は世界でもトップを走るIT企業であるということから、私はそこでは有名大学で博士号を取得したたくさんの博士が自分の研究室にこもって研究をしているような姿を想像していた。しかし実際に社内を見てみると現実は私の予想とは全く違うものであった。オフィスには個人の研究室はなく、机の配置は普通の四角の机が並んで配置されておりパーティションもなく、まさに昔の日本の事務所のようであった。しかし大きな違いは配置された机にあまり人がおらず、一方多くの人がそこここで立ち話をしていた。廊下も含めた壁という壁はすべてホワイトボードであり、そこにはたくさんのメモが残っていた。
Evernote社を見学中に通りかかった通路で2人の女性と1人の男性が話し合っていた。私はその人たちの会話に興味がありちょっと割り込ましてもらった。その3人のうちの一人の女性は副社長、もう一人の女性はマーケッター、そして男性は技術者とのことであった。
その3人がそれぞれ別の部門の人たちなので、私はこのような部門間をまたがった話し合いをするに際して、上司の許可がいるのか?という質問をしてみた。日本では部門をまたがった話し合いとなるとまずは「上を通してくれますか?」といったように上司の許可が必要といった堅苦しいプロセスが必要であることが多いからだ。
しかし彼らは私の質問を全く理解しなかった。私の発音が悪いせいというより言っていることの意味が全く理解できないという感じであった。そこで私は例えば日本であると部門をまたがる時はこのような準備が必要なことが多い…といった説明をしたところ、彼らはもしそんなことをしていたら今の時代の変化のスピードには全くマッチしないと笑って答えた。
Question: 私はホワイトボードをうまく活用することがいい答えを導く一つの大変有効な手段と考えています。皆さんの会社ではホワイトボードをどう使っておられますか?
-
2018.05.01
日本の製造業が本来持っている強味 5 昔当たり前であった日本のモノづくりのやり方はなにか?今回はそのことについてお話します。
*************************************
ところが残念なことに、現在多くの日本の製造業の経営者は、こういった自分たちが本来持っている本当の強みを認識しておらず、その力を生かした改善・変革をしていないように思える。日本人は自分の仕事に対する責任感が強い。人から言われなくても改善を実行したり、そこで関連する人たちが部門・職位に関係なく集まって問題点を自由闊達に議論できる場を設けると、それぞれの人が全体最適の状態に向かって議論を展開し答が生み出ることがしばしばある。この部門・職位を超えた話し合いは日本の得意な仕事のやり方であった。もっと砕けて言うと日本人は部門・職位を超えてワイワイガヤガヤと熱心な話し合いができるとそれぞれが自分の領域で持っている知識や経験が融合し大きな結果を生み出せる。
Question: 実は日本人は大変な持つ強みを持っているにもかかわらず、それが認識されていないということをどう思いますか?