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2017.08.24
これからの変化の時代に向けてのカイゼン[6] 今回は『儲かるメーカー 改善の急所101項』【急所84】の解説です。
【急所84】製品づくりから魅力づくりに転換せよ。
昔の話ですが、まだケータイが出たての頃、テレビの宣伝で「当社のケータイはビルの陰でもよく聞こえます!」とか「写メ(何のことだかわかりますか?写メールです。ケータイにカメラが付いていて撮った写真をメールで送れるということです)ができます!」といったものがありました。音が聞こえる、メールが送れるといった基本的な性能がまだ不十分であった時のことですが、今はもう当たり前なので宣伝の対象ではありません。代りに現在はものすごく安い商品かものすごく魅力的な商品かに二極化しているように思えます。
品質には機能品質と魅力品質の二つの品質があります。機能品質とは自動車でいうと「走る」「止まる」「曲がる」「故障しない」といった基本的な機能の部分の品質です。
一方、魅力品質とは両方とも故障しないでよく走るけど、こっちの車の方がスタイルがいいとか加速がいいとかイメージがいいといったことで、値段が高くてもどうしてもこっちが欲しい!といった魅力の品質をいいます。ブランド力という言葉をよく聞きますが、これも魅力品質でしょう。
日本の市場はかなり成熟して来ていて、もう“丈夫で壊れない”ことで売れ続けるという時代ではありません。「この商品はとても使い易いので、別のメーカーの商品の方が安いんだけど、やっぱりこっちを使いたい」、のように言われ続けることが必要です。
皆さんの作っているモノを、改めて買う人の立場で評価して魅力を上げる改善もお願いします。
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2017.08.16
これからの変化の時代に向けてのカイゼン[5] 今回は『儲かるメーカー 改善の急所101項』【急所29】の解説です。
【急所29】活動にオリジナルの名前を付けよ。
みんなで改善をしていると、とんでもなくすごい改善に出会うことがあります。ところがそれを実行してくれた当人はそんな大それたことを考えていたわけではなく、ただただ困っていたり、面倒くさかったのでやっただけ…ということはよくあります。しかし本当のいきさつがどうあれ、一旦できてしまえばその会社のモノなのですから、他の職場の人たちが困っていなくても、あたかもその改善が昔からあったかのように全社に広げたらすごいことになります。
私はコンサルタントですので、その改善を全社にすぐに広めたくてしょうがありません。そこでよくこんなことを言います。(ここではその実行した人の名前をカイゼン君とします)
「カイゼン君、よくやってくれました。素晴らしい改善です。今日の皆さんへの宿題は、この改善結果を全工場に拡大することです。そこで皆さんで考えてこの改善活動に名前を付けて頂きたいと思います。みんなが、『カイゼン君がやってくれたあの在庫を減らすすごい方法』などど言っていては拡大も定着もしません。例えば『カイゼン君式』でもいいですから名前を付けてくださいね。よろしくお願いします。」
言葉はとても大切です。分かり易く口に出しやすいネーミングでみんながすぐに実行できることが大切です。
ちなみに私が現場で実行する「あの社長も入ってみんなでわいわいがやがややって経営成果を出す5Sみたいな活動」である『KZ法』の論文上の正式名称は、『現場・現物と全社的改善を結びつける経営者参加型改善技法』です。KZ法という名前を付けてよかったと思っています。
『KZ法 工場改善』
http://goo.gl/QdRm3D
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2017.08.09
これからの変化の時代に向けてのカイゼン[4] 今回は『儲かるメーカー 改善の急所101項』【急所1】の最終回です。
【急所1】工場でのあらゆる活動は、お客様からのご要望に応えるために行っている。(先回の続き)
営業と製造は車の両輪だという表現を聞いたことがあります。確かにその通りだと思いますが、ちょっと条件がある気がします。両輪と言っても一本の太い車軸でつながっていて同時に回転する両輪ではなく、まず営業が回り始めて、その直後に製造が回りだす両輪です。
すなわちまず営業が注文を取ってくる。その注文を受けて製造が商品を作るという順番です。たとえ品質もコストも世界一であっても注文が来なければ工場は何も作ることができません。やはりすべてお客様からの注文があっての工場です。
まず営業が注文を取る。そうして即座に生産が始まります。良い品質の商品を求められた納期にきちんと作ってお客様にお納めして喜んでもらって以降のリピート注文もいただけるようにすることです。
営業と製造が一体となってお客様からのご要望にこたえる体制を更に強化していきましょう。
『儲かるメーカー 改善の急所101項』
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2017.08.03
(号外4)英語版の改善サイトでアメリカ進出?! 現在『儲かるメーカー 改善の急所101項』の『【急所1】工場でのあらゆる活動は、お客様からのご要望に応えるために行っている』について書いていますが、今回は私がコンサルタントとして新たにお客様に向けて実践し始めることをご報告します。
この度、今まで日本語のみであったこのホームページに英語版を追加しました。トップページの左上に赤くEnglishと表示が追加されました。
これまで何回か外国人の方から、英語での出版はないのかと聞かれていました。中国語には5冊の本が翻訳されていて、中国あるいは台湾で出版されているのですが(『現場改善入門』、『現場改善』、『現場のコトバ』、『ちょこっと改善が企業を変える』、『儲かるメーカー改善の急所101項』)、英語の本はないのです。中国語版は中国と台湾の出版社からのお申し出で翻訳されたのですが、英語圏からのお申し出は残念ながらありませんでした。
では自分で英語の本を書いて出版社に持ち込むか!となるべきでしたが、自分で英語の本を作ることはちょっと難しいと思い込んでいて、諦めていたのです。しかしできない理由よりやる方法を考えることが必要な時代です! そこでいろいろと考えてみた結果、ホームページくらいなら何とかできるかもしれない…と思いつき頑張ってみることにしました。
「案ずるより産むが易し」、パーフェクトな英語を書こうと思えばできませんが、何とか通じて少しでも役に立って喜んでくださる方がいればそれでOKと割り切ればできないことはないと気づきました。
もし英語でモノづくりを学びたいという方をご存知でしたら、ぜひともこのホームページをご紹介ください。また私の英語の面での改善提案もウェルカム!どうぞよろしくお願いいたします。